高血圧について調べ始めてから
減塩しても高血圧は改善しない
というような記事を見かけることがあります。
先日購入した本にも同じような事が書かれていました。
でも、高血圧の診断されると必ず食事指導ってありますよね?
私も妊娠中に血圧が上がって来た時、食事について栄養士の方と話をするように言われました。
実際のところはどうなんでしょうか?
塩を取りすぎると高血圧になる
「塩分の取り過ぎは高血圧のもと」
これは高血圧の患者だけでなく、健康な人たちにも常識レベルで知られている話ですね。
これは、1961年に発表された研究結果が発端とされています。
世界5地域の食塩摂取量と高血圧含有率をみたところ、下記の結果が出ました。
地域 | 塩分摂取量 | 高血圧患者率 |
日本北部 | 26g | 40% |
日本南部 | 14g | 21% |
アメリカ | 10g | 9% |
マーシャル群島 | 7g | 8,5% |
アラスカ | 4g | 0% |
ところが、この調査は、
・性差もサンプル数もバラバラ
・年齢も同年代
・地域選定の決定基準が不明
でした。
さらにアメリカの別の研究で、1日あたりの食塩摂取量を3つのグループ群にわけ、30日後に血圧がどうなるかを調べたものがあります。
食塩摂取量が最も少ない群ほど血圧が下がったという結果が出ました。
この研究についても、
・対象者の平均年齢が比較的若い48歳
・実験期間が4週間という期間
・食塩感受性の参加被験者が多い
などから、
減塩による血圧降下は当たり前の結果であり、被験者の選択に公平さが欠けていいます。
塩分は問題ない
1988年に発表された32カ国52カ所、約1万79品人(20~59歳の男女)を対象に行われた「インターソルト・スタディー」によって、1日の食塩摂取量が6~14g以内の人には食塩摂取とと高血圧発症に相関関係はみられないという結果がでました。
同じ塩分量でも時間によって変わる
私たちの体には「体内時計」が組み込まれていて、ホルモンや酵素の分泌など、さまざまな生体リズムを調整しています。
同じ量の食塩を摂取した場合でも、時間帯によって塩分の尿排出量が違うことが実験の結果でわかりました。
これは、アルドステロンホルモンの分泌リズムに関係していると考えられるようです。
アルドステロンの分泌は、朝に高く、夜に低くなるため、夜はナトリウムの再吸収が抑えられ、排泄されやすいということになります。
思うところ
原発性アルドステロン症の場合、アルドステロンが出続けているいるため、体内時計による塩分排出効果は期待出来なさそうですね。
さらに、インターソルト・スタディーでは、塩分摂取量が6グラム以下になると明らかに血圧が下がるというデータも示しているらしいです。
安易に塩分は問題ない!と考えてはいけないなと個人的には思いました。
塩分の基準範囲の中で、どう楽しんで食事をするかを考えようかなと思います。
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